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という理由による。
2)その背景として、
a.誘導ブロックによって分岐ルートを示しても、それだけではその先に案内板があることは伝わらない。
b.視覚障害者は平面的・立体的な空間把握が苦手で、単に建築図に凹凸を設けた図では状況が理解できにくく、知覚特性を踏まえた表現技術が未熟である。
ことなどが指摘できる。

 

2.今後の対応
1)1-1で述べたように、単独歩行する視覚障害者は、充分な事前調査を行い、鉄道駅を自分に必要な部分に絞り込んで利用するから、駅にきて全体状況を把握するというような余裕のある利用想定は実状からかけ離れているように思われる。
2)駅構内に設置する触知式案内板もさることながら、まず余裕のある状況でみることのできる事前情報として有効な触知図の研究の進むことが望まれる。

 

1-6 現状設備への評価 (5)点字表示
1.点字表示の設置状況
1)調査駅の現状では、
a.きっぷうりば=点字運賃表
b.階段手すり=階段を上がる(下がる)先の施設内容
の点字表示が設けられている。
2)他の多くの駅でも、状況は同様である。

 

2. 障害者による評価
1)点字運賃表について障害者から、
a.点字運賃表の表示位置がわからない。
b.縦長な形状が多く、読むには指の角度を一定にする必要があるから、下の方はしゃがまないと読めない。
c.上の方で手が届かない場合もある。
などの指摘がある。
2)点字運賃表はどこにあるのかわからないし、また金額がわかっても券売機を操作できないなどの理由で、活用される度合いは低いようである。
3)きっぷはとりあえず券売機左端の最低金額で購入し、降車駅改札口で駅員に申し出て精算する方法をとる人が多い、とのコメントがあった。
4)階段手すりの点字シールについては、障害者から評価が高い。
a.階段が基本動線上あるいはその分岐点に位置していて、そこで得られる情報が必要不

 

 

 

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